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勝田製断裁機に管理システム連携

封筒のはじめの製造工程である”断裁”ですが、これまで当社では、熟練オペレーターが断裁サイズを計算して、断裁機のタッチパネルに直接セッティングしていました。

そして昨年、勝田製作所様とフローワークス様がコラボで開発された断裁機を導入し、原紙や刷了紙の断裁作業の効率がグンと上がりました。

この断裁機の導入について、印刷ジャーナル様が取材して下さいました。

(2019年2月5日号)


勝田製作所の断裁機を導入20190205

(以下、誌面より)

作業時間とミス・ロス削減 生産性向上と品質の安定を実現

緑屋紙工(株)は、別注封筒に特化した「おそらく日本一なんでもできる封筒屋」として社会ニーズに応える様々な封筒を開発・製造しながら事業展開している。

そんな同社が昨今のテーマとしているのが作業の「仕組み化」だ。

その一環として同社は昨秋、断裁機メーカーの勝田製作所とシステム開発会社のフローワークス(兵庫県尼崎市)がコラボして開発した作業管理システムとの通信連携ソフトを搭載した勝田製断裁機を2台導入した。

これにより、断裁サイズの計算ミスによる紙代と時間削減、作業効率向上による生産性向上とスキルレスによる品質の安定化など様々な効果を発揮している。

同社は封筒の製造加工一筋に57年の歴史を刻む企業。
その中でも別注封筒(オリジナル仕様の封筒)に特化し、様々な形状・仕様や他社では貼れないような特殊紙などに果敢に挑戦を続けてきた。

そして現在では、「おそらく日本一何でもできる封筒屋」として、全国各地から様々な封筒の仕事を受注拡大している。
自社工場内での一気通貫はもちろん、特注仕様での加工の手配や紙の選定・提案なども含めて別注封筒に関わる業務を展開している。

今年一月には、光文堂新春機材展「Print Doors 2019」に初出展。
別注・オリジナル封筒をはじめ、お年玉袋より小さい「プチ袋」、名刺型の封筒「名刺de封筒」、オンデマンド印刷機にも通すことができる窓付き封筒「オンdeマド封筒」などの様々な封筒を紹介し、来場者の注目を集める盛況となっていた。

そんな同社が、昨今のテーマとして取り組んでいるのが作業の"仕組み化"である。
パソコンや機械などでIT化できることは順次仕組み化を進めてきたが、封筒の断裁作業はある程度の経験値が必要なため、熟練オペレーターの「腕」のみに頼ったアナログ的な作業が続いていたようだ。

しかし、熟練オペレーターであっても人の作業にミスは付きものである。

藪野社長は「一般の印刷物と違い、封筒はサイズに応じて一つ一つ切り方が変わるため、計算にも手間がかかり、1~2か月に一度は計算ミスが発生して紙のロスが発生していた」と語り、断裁作業の「仕組み化」が早急の課題となっていたことを説明する。

そんな中、勝田製作所から、システム開発会社のフローワークスの作業管理システムと断裁機を連携させてシステム化を図ることができると提案されたことが、勝田製断裁機を導入する決め手となった。

同社ではこれまで、他社製の断裁機2台を導入していたが、昨秋に作業管理システムと連携できる勝田製断裁機2台と入れ替えた。
テスト運用期間を終え、今年より本格的に作業を開始している。

断裁セット時間を短縮し、ミス・ロスを削減

前述の通り、封筒の断裁は計算が複雑であるため熟練オペレーターでも計算ミスをすることも珍しくない。

またセット時間も1~2分を要するものだが、同システムの活用により、断裁作業のセット時間は従来の約半分の時間で行えるようになったようだ。

同社では1日に40件以上のジョブをこなすため、これだけでも1日あたり30分~1時間近くの時間を削減できる計算になる。
しかも、従来のような「計算ミス」は絶対起こらないという保証付きである。

同システムの操作について薮野社長は「断裁機のタッチパネル部の横にパソコンとつなげられるコネクターがあり、これまでタッチパネルで行っていたセット作業をパソコンのモニターを見ながら行える。

断裁サイズや糊しろ、取り数などを入力すれば、用紙の図面上に丁合が図面で反映されて視覚的に捉えることができるため、紙サイズからはみ出すようなミスは絶対に起こらない」と熟練オペレーターでなくてもスキルレスで素早くセットを行えるところを高く評価している。

また、封筒の取り数は縦目の方が貼りやすいため一般的であるが、「横目にすることで取り数が増えるなどの計算もパソコンのモニター上で一目瞭然で判断できるため、紙代のコスト削減にも活用できている。」(薮野社長)と、熟練オペレーターでも困難な計算を誰でもスキルレスで行えるようになるなど、同システムの導入前は考えつかなかったメリットも出ているようだ。

さらに同社では、このシステムを作業管理システムとしてだけではなく、作業のメモリーに記憶させると同時に消し込み作業を行い「進捗管理システム」としても活用している。

そして、このデータを蓄積し、将来的には断裁作業の段取りをAIで行える仕組みを作っていく構想のようだ。
「段取りは基本的には納期優先であるが、データを蓄積し、どの順番で行うのが最も効率が良いのかをAIに考えさせることで『仕組み化』をさらに進めていきたい」(薮野社長)

昨年6月にはISO9001を取得。
現在は今夏のプライバシーマーク取得を目指しており、これらの認証取得に向けたプロセスは「仕組み化」と同時に業務の「見える化」の実現にもつながっているようだ。

同システムとの通信連携ソフトを搭載した勝田製断裁機を活用しながらさらなる「仕組み化」を進めていく同社の取り組みに注目したい。

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