封筒加工用語辞典
DICTIONARY封筒の製袋や加工に関連する用語を解説します。
単語によっては、他の業界では異なる意味で使われているものもありますが、こちらのページでは封筒の製袋・加工に使用される用語として解説させて頂いています。
あ行
合紙(あいし)
荷崩れを起こさないように、また種類別の目印となるように積んだ段ボール箱の間に入れる紙のことです。
頭ベタ
封筒のアタマ(フタ)部分の全域を印刷することです。
既成品では印刷の都合上アタマベタは不可です。別注加工であれば紙に印刷してから封筒に仕上げるので、アタマベタ印刷が可能となります。
厚紙封筒(あつがみふうとう)
紙で加工した封筒のことです。よく使用される紙の厚みは310g(0.4mm)。コートボール紙などが使われます。
厚紙封筒でわかりやすい例は郵便局のレターパックです。厚紙封筒は、通常の郵便物よりも厚みがあるもの、重いものを送るのに使われることが多く、レターパックのようにマチ付きのものが多いです。
後加工(あとかこう)
現在の工程の後に行う加工・工程のことです。
(例:「製袋」工程の後に行う「口糊」工程。)
アドヘア
封筒の口糊加工の糊(のり)の一種です。フタと胴体に糊を引く、口糊加工です。
フタと胴体の糊を重ねることで接着しますので、剥離紙(はくりし)などのゴミが発生せず、かつアラビア糊のように水に濡らす必要もありません。
ただし、接着力の有効期間はおおよそ3か月と短めです。長期保管ができないので、すぐに発送するDMなどの案件などで使用するのがオススメです。
アラビア
封筒の口糊加工の糊(のり)の一種です。切手のように、水を付けることで粘着力を発揮します。
カマス貼の洋形封筒の自動封入機で使用する用で使われることが多いです。ちなみに、自動封入機にかける場合、基本的にフタは折っておきます。
板紙(いたがみ)
合紙と同様の意味です。
イラストレーター
アメリカのカリフォルニアに本社があるAdobe(アドビ)社のパソコンソフトのことです。名前の通り、イラストをパソコン上で描いたり、ロゴやアイコンなどの制作に使われます。
封筒のデータ(展開図面やデザイン等)もイラストレーターで作成することが多いです。
※イラストレーター(.aiファイル)形式の封筒展開図テンプレート、面付けテンプレートもご利用ください。
色見本(いろみほん)
封筒などを印刷する際に見本とする色、および見本とする色が掲載されている見本帳などを指します。
.aiデータ
アドビ社のソフト「イラストレーター」のファイルに付く拡張子のこと。
例:長3センター貼テンプレート.ai
エキセン
封筒一枚が展開されたシート(紙)の四隅を切り落とし、封筒の展開状態を完成させる作業のことです。
カマス貼り、センター貼り、サイド貼りなど、封筒の貼り方に合わせて抜き型を使い分けます。
刃と刃の間隔を調整できるので、同じ抜き型であらゆる封筒サイズに切り落とすことができます。
※封筒のフタや底にアールを付ける場合は、エキセンではできないのでトムソン抜きをオススメしています。
帯止め(おびどめ)
封筒のサンプルや予備の封筒などを紙の帯で梱包する作業、または工程のことです。
オフセット印刷
オフセット印刷とは、原版をゴムや樹脂製のブランケットに転写し、さらにブランケットから紙に転写する方式の印刷技術です。
原版からブランケットに転写する過程を”オフ”、ブランケットから紙に転写する過程を”セット”と呼ぶことから、この印刷方式をオフセット印刷と呼んでいます。
オフセット印刷の特徴
・オンデマンド印刷よりも色などの品質が安定している。
・鮮明/きれいな品質。(写真や美術印刷で使われることが多い。)
・大部数の印刷に向いている。(コスト、品質の面で)
オンデマンド印刷
オフセット印刷が大部数に向ているのとは対照的に、小部数の印刷に向いている印刷方式です。
オフセット印刷のように版をつくる必要がなく、パソコンなどの端末から印刷データをオンデマンド印刷機に直接送り、印刷します。
ただし、色はオフセット印刷のように完全に安定せず、同じデータでも印刷するタイミング(気温やプリンターの状況など)により色が変化することがあります。
オンデマンド(on demand)とは、英語で「要求に応じて、要求があり次第」という意味です。オフセット印刷のように”版”をつくる必要がないので、必要な時に必要な部数だけを印刷できるのが特徴です。
か行
角底袋
底面が立体の四角形になっている封筒です。
テイクアウトの食品を入れたり、買い物袋などで見受けられる封筒です。
カマス貼(かますばり)
封筒の貼り方の一種です。糊代が封筒の両端にある、洋形封筒の貼り方です。
カマス貼は、内貼りと外貼りの2パターンがあります。
「カマス内貼(うちばり)」
サイドの糊代が内側に入る貼り方
「カマス外貼(そとばり)」
サイドの糊代が外側に出る貼り方
内貼よりも外貼の方が封入時に引っかかりにくいです。
DMなど大量部数の封入作業がある場合は、カマス外貼の方がオススメです。
ちなみに、封筒メーカーさんによっては、「マッペ」や「YS封筒」という呼称で扱っておられます。
紙ぞろえ(かみぞろえ)
紙の一角をきれいに揃える作業、または工程を指します。
紙目(かみめ)
紙には縦目(たてめ)と横目(よこめ)があります。
紙の繊維が紙の長辺に平行していれば縦目、長辺に対して垂直、つまり短辺に平行であれば横目といいます。
封筒を製造するには縦目でつくる方が横目でつくるよりもキレイに仕上がります。
菊判(きくばん)
原紙サイズの規格の一つです。
菊判の寸法は639mm×939mmです。
木型(きがた)
木型といえば、靴を作る際の木型や鋳物の型をつくるための木型などがあります。当社(封筒業界)では木型は”抜き型”のことを主に指しています。
トムソン加工という、紙を上からプレスして封筒展開図の状態に打ち抜く加工方法があります。その際に使用する刃物がセットされた板のことを指すことが多いです。
ダイヤモンド貼など、通常のエキセン抜き加工では対応できない形や特殊なサイズなどは、トムソン加工で封筒の展開状態をつくっています。
グラシン紙
紙の種類の一種。表面がツルツルしており、半透明の紙です。原料であるパルプをしっかりとすり潰した上で、薄くプレスすることで、半透明になっています。
ケーキの型紙など食品の包装などに使われています。グラシンテープを略してグラシンと呼ぶこともあります。
封筒工房では、グラシン紙を使用した封筒の窓加工が可能です。グラシンは紙ですので、プラスチック系のフィルム窓と異なり環境保護に貢献します。
グラシンテープ
口糊加工の一種です。
水溶性の粘着糊を封筒の頭(ベロ、フラップ)、もしくは胴体部分に引き、剥離紙で保護する口糊です。
頭部分でも胴体部分でもどちらでも加工することができます。
グラファン
半透明が特徴のグラシン紙の透明度をさらに増した紙です。
グラシンとともに、封筒の窓に使用される紙素材です。
グラファンもグラシンと同様に紙素材ですので、封筒の窓に使用してもゴミの分別(紙とプラスチック)をする必要がありません。
グルアー
厚紙製袋機の名称のことです。サックマシーンとも呼ばれます。
くわえ
紙を印刷する際に、印刷機がつかむ紙の部分のことです。
印刷機が「くわえる」紙の辺約10mm程度は、印刷ができません。
けがき
加工に必要な位置や寸法を記した線や点のことです。
化粧断ち(けしょうだち)
紙の四隅をきれいに断裁する加工、または工程のことです。
原紙
紙には四六判や菊判、ハトロン判などの規格があります。
原紙とは、このような規格サイズのままの、断裁していない状態の紙を指します。
小断ち(こだち)
原紙および原紙サイズの刷了紙を製品サイズに切り分ける加工、または工程のことです。
さ行
刷了紙(さつりょうし)
印刷が完了した紙のことです。
封筒工房では、主に封筒に加工する前(断裁前)の、原紙に印刷された紙の状態を指します。
サイド貼り
封筒の貼り方の種類です。右側または左側で貼り合わせる貼り方、およびその加工・工程のことです。
サイド貼りとスミ貼りは同じ意味です。
なお、右側で貼れば右貼り、左側で貼れば左貼りと呼び、真ん中で貼り合わせる貼り方はセンター貼りと呼びます。
四六判(しろくばん)
原紙のサイズのことです。四六判のサイズは788mm×1091㎜です。
B列本判より少し大きいサイズであることから、B列本判の代わりに使われることもあります。
【四六判の封筒面付けの目安】
四六判の全判(断裁をしていない788mm×1091㎜のままのサイズ)であれば、以下のように封筒の面付けができます。
- 長形3号…封筒展開図なら6~8丁付きます。
- 角形2号…封筒展開図なら2丁付きます。
白抜き(しろぬき)
封筒を全面ベタ印刷する際に、糊代として印刷データを載せない部分のことです(参考画像の緑色の線で囲んでいる箇所が”白抜き”です)。
封筒に印刷したインクの表面は糊が付きにくいので、このような加工をしています。
スミ抜き
紙のはしっこ(すみ=角)を切り落とす工程のことで、エキセンと同じ意味です。
スミ貼り(すみばり)
封筒の貼り方の種類です。サイド貼りと同じ意味で、右または左側で封筒を貼り合わせる貼り方、およびその加工工程のことです。
製袋(せいたい)
エキセン(角抜き)を行い、封筒の展開形状になった紙を封筒の形状に折る加工工程のことです。
センター貼り(せんたーばり)
封筒の貼り方の種類です。封筒の真ん中で貼り合わせる貼り方、およびその加工工程を指します。
全紙(ぜんし)
半裁される前の原紙のことです。
全面ベタ印刷
外貼り
封筒の貼り方の種類です。
のりしろが外側になる貼り方です。外貼りの反対の貼り方は内貼りです。
底(そこ)
主に封筒の底の部分を指します。
た行
たがね
窓をあける冶具の一種です。専用の窓抜き用の機械に取り付けて使用します。
ちなみに、封筒工房の窓タガネについては窓タガネ一覧表をご覧ください。
玉3(たまさん)
玉本鉄工所の製品で小型製袋機(縦型封筒用)の通称。
正式名称は玉本小型です。
玉本中型
玉本鉄工所の製品で中型製袋機(縦型封筒用)の名称。
玉4(たまよん)
冨士製袋機工業の製品で小型製袋機(縦型封筒用)の通称。
正式名称は富士小型です。
断裁
紙を切り分ける加工、または工程のことです。
丁付け
印刷において、複数の印刷物を一枚の紙からいくつ取れるか示すことです。
天折り
封筒のフタを折る加工、工程を指します。
天立て
封筒のフタを折らずに製袋をすること、または天折り状態の封筒のフタを立てる工程を指します。
トムソン加工
紙などの抜き加工方法の一種です。
刃が取り付けられた専用の木型(トムソン型)を専用の機械にセットし、紙を上からプレスする要領で打ち抜きします。
封筒工房では、ダイヤモンド貼りの封筒やエキセン抜きでは加工しない小さめの封筒(ポチ袋など)でよく使用します。
なお、封筒工房が保有しているトムソン型はお客様の封筒加工にご利用頂けます。
サイズさえ合えば新規で抜き型(トムソン型)の作成が不要となります。
弊社が保有している木型については、木型(抜き型)一覧表をご覧ください。
ドンテン
ふたベタの商品で、たくさん丁付けを行うためにふた同士を向かい合わせてレイアウトしている印刷物のことです。
丁付けは効率が良いですが、断裁の作業性は低下するのがデメリットです。
トンボ
印刷物を作成する際に、仕上がりサイズに断裁するための位置を示す印のことです。
な行
納本
できあがった印刷物を納入することです。
製造した商品の一部を見本(納品見本)としてお客様に渡すことも含みます。また、その見本そのものを指すこともあります。
糊代(のりしろ)
封筒形状にするために、封筒の糊付けする部分を指します。
全面ベタ印刷の場合、糊が付きにくくなるので糊代部分を白抜きすることをお勧めしています。
糊止め(のりどめ)
封筒の中身が底までいかないように、封筒の内側を糊で止める加工、またその工程のことです。
は行
箔押し(はくおし)
紙に箔を任意の形状で押し込む加工のことです。
メタリックな光沢を表現できるので、高級感を演出できるのが箔押しのメリットです。
パッド
封筒を出荷する段ボールケースの中を仕切るボール紙、段ボールを指します。
サイズは900mm×1200mm。
ハトロン判
原紙サイズの規格の一つです。
ハトロン判のサイズは900mm×1200mmです。
ハマダ1色機
1色印刷機の名称。
はり
くわえに関連する用語。
くわえ辺の左右どちらか90°の位置の辺、またはくわえに対して直角に給紙されるよう安定させるための機構のことです。
半裁
ハトロン判、四六判、菊判など、封筒の原料となる原紙を半分に断裁したサイズのことです。
また半裁に加工する工程の呼び方でもあります。
ハンドリフト
荷物を載せるパレットを移動させるための運搬器具。フォークリフトのような免許は不要。
小回りが利くので工場の狭い通路でもよく使用される。
ビク抜き
木型(抜き型)を使用して、全紙を打ち抜き加工する工程を指します。
“ビク”の由来は、この打ち抜き加工機メーカーの”ビクトリア”という社名からきている。
封筒目
封筒が紙目に対して丁付けされている方向のことです。
冨士中型
冨士製袋機工業の製品で中型製袋機(縦型)の通称。
べた
全面ベタ印刷のような、印刷等で塗りつぶす加工のことです。または加工された状態を指す。
ポンス
タガネで紙に窓をあける機会、または加工・工程のことです。
ま行
前取り(まえとり)
回転加工機(封筒製袋機)で完成した製品を検品・梱包する作業、または工程。
マチ
封筒に厚みを持たせた部分。
窓
封筒の中身が見える部分のことです。
窓チップ
封筒展開状態の紙に窓を加工する際に出る紙片ゴミを指します。
窓抜き貼り
窓を抜いて、窓にフィルムを貼り付ける加工・工程のことです。
丸タック
封筒の口をヒモで止める加工。またはそのものの名称。
や行
ヤレ紙
シワや傷の付いている紙、または不良紙のことです。
ら行
ラップ
パレットに積まれたケース(製品)の荷崩れを防ぐための梱包資材、またはその作業を指します。
ロファ
ロファレックスの略。封筒展開状態の紙に窓を加工するための工具、またはその加工・工程のことです。
窓抜き貼り
窓を抜いて、窓にフィルムを貼り付ける加工・工程のことです。