01 どんなご要望にも応える
FUTOKOBOの解決事例

限界まで
小さな封筒、
作ってください。


切符を入れるのに適した小さな封筒のご要望
あれは、およそ15年前、電車の切符や乗車券を入れるための小さな封筒を作ってほしいというご依頼がありました。
切符のサイズは30mm×57.5mmなので、それを入れるための封筒は、幅35mm×天地62mm程度のサイズになります。幅55mmを下回るサイズの封筒は製袋が非常に難しく、手貼りで制作するほかありませんでした。
その小さな封筒を見た弊社代表が
「どうにかして機械で製袋できないか、こんな封筒が機械で作れたらおもしろいんじゃないか」
と考えたことがきっかけで、小さな封筒の機械製袋への挑戦がはじまりました。

極小サイズの封筒を機械で安定生産する
幅35mm×天地62mmの封筒を作るための紙は、通常の刃(エキセン)で抜くことができないため、トムソン加工する必要があります。偶然にもその頃、新しいビク抜きの機械を導入していたため、抜き加工はクリア。そして本番の製袋作業ですが、これが失敗の連続でした。
実は、現場の責任者である工場長も、当時は本当にできるか半信半疑でした。
製袋機に紙を通しても、途中で紙詰まりを起こし、調整を繰り返して何とか紙が通るようになっても、回転が遅く、仕上がりの質もいいとは言えず、安定稼働には程遠い状況。
その後、「送る圧力を上げる」「専用の治具を作る」など何度も何度も改良を重ね、問題をひとつずつ解決していくことで、なんとか安定稼働ができるように。
その期間、なんと約1年!!
最終的には限界まで小さなサイズの「幅35mm×天地55mm」の封筒が商品化。
お年玉のポチ袋よりも小さいため、『プチ袋』と命名しました。

FUTOKOBOの技術の広告塔に
完成したプチ袋は、切符のほか、神社のおみくじを入れる袋や販促グッズなどにご活用いただいていますが、意外にも展示会で大活躍!
来場者の方に配ると「なに?このサイズ!?」と足を止めてくださることが多く、そこからお話が弾むことも。加工について詳しい方は、まず機械でこのサイズが作れることに驚かれ、女性や若い方は、小さな見た目のかわいらしさに興味を持っていただけるなど、弊社の加工技術をPRするキャッチーなツールとして活躍しています。
また、プチ袋の35mmの幅を活かして、例えば細長いペンを入れる袋を製袋することも可能に。
プチ袋が作れるようになったおかげで、異なるご要望にも応えられるようになり、弊社のご提案の幅も広がっています。
まとめ

安定稼働ができるようになったとはいえ、その小ささから加工は最高難易度で、実は現在でも、このサイズを機械で加工できる会社はほとんどありません。
「おそらく日本一なんでもできる封筒屋」と謳っている背景には、こういった独自の技術を持っていることや、社員の“とにかくやってみよう精神”にも由来しているのです。